最近、医療機器業界について色々と調べている筆者ですが、特に注目しているのが「環境規制」の動向です。
最近、医療機器業界について色々と調べている筆者ですが、特に注目しているのが「環境規制」の動向です。EUのRoHS指令やREACH規則といった話はよく耳にしますが、これが医療機器にも深く関わってきていることを知は、正直驚きました。以前は「安全性と品質が最優先」というイメージでしたが、今はそれに加えて「持続可能性」という視点が不可欠になっているのようです。単に製品の性能が良いだけでなく、地球環境への影響まで考慮することが、当たり前になりつつあるのと感じられます。
例えば、EUが導入した新しい医療機器規則(MDR)では、製品のライフサイクル全体での環境負荷低...
例えば、EUが導入した新しい医療機器規則(MDR)では、製品のライフサイクル全体での環境負荷低減が求められる方向にあると聞きます。使用する材料から製造プロセス、さらに廃棄に至るまで、有害物質の管理や資源の効率的な利用が重要視されているようです。RoHS指令のように、特定の有害物質の使用を制限する動きは、単に「使わない」だけでなく、代替材料の開発やサプライチェーン全体の管理体制の見直しを促しているのだと、調べてみて分かりました。これは企業にとって大きな課題であると同時に、新しい技術開発のきっかけにもなりそうです。欧州連合の公式サイトでRoHS指令の概要を読むことができます。(参考: EU RoHS指令 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32011L0065)
このような環境規制の波は、医療機器の「滅菌」プロセスにも密接に関わってくるようです。
このような環境規制の波は、医療機器の「滅菌」プロセスにも密接に関わってくるようです。例えば、長年使われてきたエチレンオキサイドガス(EOガス)滅菌は非常に効果的ですが、環境への排出物に関する懸念から、その使用や管理がより厳格になっている地域もあると聞きます。その代わりに、過酸化水素ガス滅菌やガンマ線滅菌など、より環境負荷の少ない滅菌方法へのシフトが検討されたり、滅菌プロセスの効率化によってエネルギー消費を抑えたりする取り組みも進んでいるようです。また、一部の単回使用医療機器の再処理(リプロセス)を認める動きも、医療廃棄物の削減という環境側面から注目されているのようです。ただし、安全性や品質の確保が大前提として、この分野は特に慎重な議論が必要と感じられます。
医療機器業界全体としては、このような環境規制に対応するため、製品設計の初期段階から環境配慮を組...
医療機器業界全体としては、このような環境規制に対応するため、製品設計の初期段階から環境配慮を組み込む「エコデザイン」の考え方が広まっているようです。素材選定、エネルギー効率、再利用・リサイクル可能性などを考慮した製品開発が進められていると、様々なレポートで読みました。サプライチェーン全体でのCO2排出量削減目標を掲げる企業も増え、医療機器メーカーだけでなく、材料供給元や滅菌サービス提供者も巻き込んだ協力体制が不可欠になっていることが見て取れます。日本の医療機器メーカーも、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のMDR関連情報 (https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-review/regulations/0002.html) などで最新の国際動向を注視し、積極的に対応を進めているとのことです。
医療機器業界における環境規制の強化は、単なるコスト増ではなく、むしろイノベーションを加速させる...
医療機器業界における環境規制の強化は、単なるコスト増ではなく、むしろイノベーションを加速させる原動力になっているように筆者には思えます。環境と医療の安全性を両立させるための技術開発や、より持続可能なビジネスモデルの構築は、業界に新たな価値をもたらすはずです。安全性と品質に加えて、環境への配慮が当然とされる時代。これからの医療機器は、まさに「地球にも人にも優しい」製品が求められていくのでしょう。筆者も引き続き、この興味深い変化の波を追いかけていきたいと思います。